首・肩こりを改善するために知っておくべき身体の働き
肩甲骨について
上部胸椎について
関節の神経機能について

肩甲骨の重要性について
まず腕の動きについて考えてみましょう

自由に動く肩甲骨
「肩甲骨」という骨が背中に2つあるのはご存じですか?腕の骨と鎖骨と呼ばれる骨と連結している三角の形をした平べったい骨です。肩甲骨という骨は胸郭と呼ばれる心臓や肺などをおさめる肋骨で囲まれた鳥かごみたいなものと背中の筋肉の間に存在しています。そして下図の矢印の関節(肩鎖関節)の一点で体幹と接続しているとてもユニークな骨です。

また、肩甲骨には多くの筋肉が付着しており、その数16個。腕を動かすのに重要な筋肉はほとんど付着しています。どうしてこんなに多くの筋肉が肩甲骨には付着しているのでしょうか?そして、どうしてあんなに弱々しい関節一点で体幹と接続しているのでしょう?
働きモノの肩甲骨
肩甲骨はとても働きモノなのです。
肩甲骨の重要な役割は大きく2つです。
①肩周辺を安定させて腕の動きをサポート
静的サポート
②腕の可動域を最大限引き出す作用
動的サポート
つまり、腕の動きの「静」と「動」をしっかりサポートしているのが肩甲骨の役割なのです。たくさんの筋肉が付着しているのは、しっかり固定されるべき場面でその役割を果たすため。関節一点でしか体幹と接続していないのは、より大きな動きができるようにするためと考えられます。
では、この働きモノの肩甲骨が仕事を怠けてしまうとどうなるか・・・
肩コリ解消には肩甲骨の動きが重要です!

肩甲骨は決まったルールに従って、腕(上腕骨)と連動しての動きます。
これを「肩甲上腕リズム」と呼びます。一般的にこの動きは我々が自分でコントロールできるものではなく、自動的にその動きをとります。
つまり、このリズムに沿って肩甲骨が動くことが正しい腕の使い方なのです。もし肩甲骨が「動」の仕事を怠けてしまうと、腕そのものを動かしている筋肉に負担が掛かってしまいます。例えるなら、電動自転車に乗ってスイスイ坂をのぼっていたのに、急に電池が切れてしまった状態です。肩甲骨の機能が少しずつ低下していくと、肩まわりの筋群に少しずつ負担をかけていくことになります。五十肩に発展することもあります。よって肩コリでお悩みの方は肩甲骨の機能を改善してあげることがとっても重要なのです。
健康維持の為にランニングを始めたけれども、走るとなぜか肩が凝る、なんだか腕が重だるくなってしまうという方が結構いらっしゃいます。この場合、もしかしたら肩甲骨がしっかりと動いていない状態で腕を前後に振っているために肩回りに負担が生じてしまっているのかもしれません。
「腕は肩甲骨から」と意識してみましょう

さて、冒頭にありました、「みなさんはカラダのどこからが「腕」だと認識して動かしていますか?」という質問に戻ります。
もうおわかりですね。正解は「肩甲骨」からです。 肩コリでお悩みの方は、ほんの少しだけでも肩甲骨を意識してみてください。下図のように肩からさきを腕と考えるのではなく、もう少し背骨の近くから腕が生えているイメージです。

肩コリ、五十肩などの原因は様々な理由が挙げられますが、肩甲骨の動きはとても重要な要因となります。
上部胸椎の重要性について
なんとも言えない首まわりの不快感

でも「肩コリとは場所がちょっと違うような感じだし、なんとなくここらへんが重だるい」と首の付け根を指し示す方が結構いらっしゃいます。
実は私も長時間座っていると同じ症状が出てきます。結構つらいですよね。
問題の筋は何だろう?
首を起こしてしっかり前を向いた状態を維持する、もしくは上を向いて空を見上げるといった動きをする場合、どんな筋肉が使われるのでしょう。

傾きかけた頭を元の位置に戻そうとする場合、首や頭の骨に付着している筋肉のもう一方はどの位置に付着していると効率よく筋を働かせることができるでしょうか?実は、首の付け根(ちょうど肩の高さくらい)よりも下に付着している必要があります。下図は首の骨と頭蓋骨に付着し、もう一方の端が背骨に付着している板状筋という筋肉の走行です。


機能的にみると首はもう少し長いのです

よく使われる「背骨」という言葉は総称です。 首、背中、腰でそれぞれ
頚椎(7個)、 胸椎(12個)、 腰椎(5個)という 名前がつけられています。一般に「首」と呼ばれるのは7個ある頚椎の部位です。頭・首の動きと連動して、実は胸椎の上3個分もわずかに動きます。外見上は肩の高さくらいまでが首と呼ばれるところですが、背骨を機能的にみると10個くらいが頭と首の動きに連動しています。

胸椎の一番目から肋骨が加えられます。もし人間に肋骨が存在しなければ、カラダはグニャグニャ動きます。でも心臓とか肺をしっかり保護しなければならないので、ある程度背骨の動きを制限しなければなりません。つまり、上部胸椎は頚椎と一緒に「動きたい」のに、肋骨があるために動きを制限されています。上部の胸椎は制限が加えられている中で一生懸命に動こうと頑張っているんですね。
さあ、ここで想像してみましょう。パソコンの前に座っていて、両手を机の上にのせてキーボードをカチカチ叩いています。両手が机の上で固定されている状態、肩甲骨も動かさない状態ですと上部の胸椎は半固定状態になってしまいます。でも、首は入力ミスのチェックなどをするたびに前後に動きます。動くべきところが動かないと、どこかに負担がかかってきます。
その負担部位は動きの多い頚椎と動きが制限されている胸椎の接続部分です。もっと簡単に言うと、肋骨が付いていない骨と肋骨が付いている骨の接合部分です。専門的な表現だと頚胸移行部と呼ばれるところです。現在50%以上の普及率を占めるスマートフォン。下図のように頭を大きく前に傾けて使用している方がとても多いです。この姿勢も頸胸移行部に大きな負荷をかけてしまいます。

冒頭にあった症状をお持ちの方は、この部位の機能不全をケアしてあげることがとても重要になってきます。

関節の神経機能の重要性
過去に記憶に残るような転び方をしたことがありませんか?
クライアント様の体験談
2年程、肩と首のコリ感に悩んでいます。
別に痛みがあるわけではないのですが、
なんとなく重だるく、仕事に集中できません。
よく肩コリについて話を聞きますが、
他の人とは違うような気がします。
ひどい時は睡眠も妨げられますし、
だんだん症状が上にあがってきて
頭も重だるくなることがあります。
目の奥がなんとなく嫌な感じに
なることもあります。
自分では極力正しい姿勢を意識していますし、
本やTV、ホームページで知ったストレッチや
体操も毎日やっています。
マッサージも多い時で週1~2回通って
いましたが、なかなか改善しません。
美容院にいくと必ず「こっていますね」と
言われます。以前なら「そうなのよ~」と
笑って会話していたのですが、
最近は、深刻に考えるようになったせいか、
そんな会話も笑ってできなくなって
しまいました・・・。なんだか呼吸も
浅くなってしまった感じがします。
できれば、両肩を取り換えたいくらいです。
肩こりの意外な原因
上記のような肩や首が「痛い」わけではないけれども重だるいコリ感がなかなか消えてくれないというご経験をされている方がたくさんいらっしゃいます。このような症状でお悩みの方、
過去に今でも鮮明に思い出せるような
交通事故や転倒の経験がありませんか?
スキーで転倒、交通事故、はしごから落ちた、自転車で転倒、階段を踏み外した等
先のクライアントさんは7年前に交通事故を経験されていました。
交通事故や転倒事故の直後はムチウチや外傷という形で大きく動かされた部位やぶつけた部位に痛みが生じます。そして時間の経過とともに症状は軽減し、いつしかその痛みや症状も消えてしまいます。そしていつもの日常生活に戻ります。
しかし、当時の症状はおさまったけれどもカラダの中では・・・
このような慢性的な肩や首のコリでお悩みの方で、過去に大きな衝撃をカラダに受けた経験がある場合、各関節の神経機能をチェックしていくと通常の(事故経験の無い)肩コリを訴えられている方よりも、極端な神経反応を示される方が非常に多く見られます。
これは、大きな事故や転倒の際に受けた強い衝撃によってカラダの関節の神経機能が、
違う状態に置きかえられてしまったと推測されます。
関節の「動く」という機能(曲げる等の動作)は正常。しかし、関節がどれだけ動いたのか、どの方向に動いたのかという位置情報を正しく脳へ送ることができなくなってしまう神経機能の障害が後遺症として残ってしまったのではないかと推測されます。
(目には見えず、自分では感じることができない後遺症です)
例えば、自分では頭をまわして「右を向いている」つもりでも、神経的な機能障害が生じている関節は「右下を向いている」と認識してしまい、「下」という余計な成分が加わったことにより、肩まわりの筋群に余計な緊張を強いているのかもしれません。しかし、自分ではその状態に気付くことができないのです。
このように、
自分のカラダの動きそのものを正しく認知できない状態なので、ストレッチや体操を行っても、マッサージを受けてもなかなか症状が改善しないのではないかと当院では考えています。
関節の神経機能の改善にアクティベーター・メソッドは大変効果的な施術となります。上記のような症状でお悩みの場合、勝どきカイロプラクティック に来院されてみてはいかがでしょうか。
テーピングの仕方
◆キネシオテーピングに興味がある人は
こちらのHPも!
バランスボールは楽しい!
楽しみながらトレーニング
手軽で楽しく、そして効果的なエクササイズです。ボール1個で筋力強化、ストレッチ、有酸素運動などができます。また普段は鍛えにくい腹部や背部の深部にある筋肉を鍛え、バランス感覚も養うことができる画期的な運動方法です。